WordPressのメリット・デメリット

WordPressとは、PHPというプログラミング言語からなるCMSの一種で、単純に様々なプログラミング言語を使ってホームページを制作するよりも簡単に、かつ保守や更新機能にも優れたツールです。

WordPressは世界中のWebサイトに活用されていますが、日本でのCMSを使ったホームページ制作において、WordPressのシェアはおよそ8割を占めるほど人気で、その分優れている点が多いことも特徴です。

今回はそんなWordPressを使ったホームページ制作のメリット・デメリットについてまとめました。

WordPressのメリット

「WordPressを使うとホームページ制作も簡単になって、保守や更新に関する機能も豊富」というお話を先程少ししました。一見メリットしかないように見えますが、状況によってはWordPressを利用すべきか考えるべき状況もあります。まずはメリットから挙げていきましょう。

①ページ毎のカスタマイズが簡単に

「固定ページ」という機能で下層ページを作ることができるため、通常のようにプログラミング言語で組み立てる必要はなく、内容の編集をする際も一切コードを触る必要がありません。

②全ページに同じパーツを適用したり、条件分岐が比較的簡単に使える

ヘッダーやフッター、サイトによってはサイドメニューなど、全ページに同じデザインを適用させたいという場合は、いちいちプログラミング言語をコピーして全ページにペーストして…となると面倒ですよね。設置の際はペーストするだけで済みますが、後々内容を変更したくなった時、それぞれのページに散らばったパーツを一つ一つ編集していくのは地獄のような労力が必要です。HTMLとCSSを使った制作の場合そういった手間が発生する場合があります。

WordPressは「PHP」というHTML,CSSよりも高度なプログラミング言語でサイトを構築するので、「1つのヘッダーが格納されたファイルを、Webサイト上の全てのページで共有する」なんてことも可能なんです。PHPはWordPressでなくとも利用できますが、全て一からプログラムを書かないといけない為、かなりの知識を必要とします。

そして条件分岐ですが、例として「指定した場所に記事があればAを出力してください・なければBを出力してください」みたいな複雑な処理を、ある程度簡単に使えるようになります。PHPにはWordPress専用のコマンド的なものも用意されていて、記事を抜き出したり、記事のタイトルを抜き出したりと全部一から書くと「?」になりがちなことを、マニュアルに沿って書くだけで実現できます。

③拡張機能でセキュリティを強化したり、バックアップなどの管理も簡単に

WordPressは、様々な機能を追加できる「プラグイン」という機能が存在します。WordPressの人気さ故提供されているプラグインの数、種類、機能も相当な数存在します。ホームページを作って「こういうところ不便だな、こういう機能って難しいのかな」なんて思ったときは、プラグインを探してみると案外見つかったりするものです。
中には入れることでデザインが崩れてしまったり、サードパーティー製ならではの不具合も存在することがありますが、セキュリティ強化や保守管理に強いプラグインは入れておくことでハッキングなども防げる可能性が上がったりとメリットが大きいため、入れておくことをお勧めしています。

④テーマを使用できる

無料で提供されているWordPress公式製のテーマ、WordPressテーマ専門の会社から提供されているテーマなど、日本でも圧倒的なシェア率を誇るだけあってテーマというのは引く手数多です。
そもそもテーマって何?というと、WordPressにおけるテーマとはデザインテンプレートのことです。もっと嚙み砕いて語弊を恐れず言うとすれば、「わざわざ自分でデザインしなくても、文字とか画像WordPressで入れてくだけで綺麗にホームページができますよ」みたいな機能なわけです。制作会社にデザインを依頼すれば打ち合わせを経てある程度思い通りのデザインに仕上げることができるかもしれませんが、その点テーマを使うと自由度は下がるというデメリットも存在します。

WordPressのデメリット

メリットなんて上げ出すときりがありません。少ないとはいえもちろん良いことばかりではないので、マイナスな面も少し紹介します。

①PHPの使用を余儀なくされる

知識がある人からすれば色々便利な点も多いPHPですが、複雑な指令を出せる半面記述が少し難解です。CMSを使わない制作の場合はPHPを使う/使わないの選択ができますが、WordPressを利用する場合多少なりともPHPを触る必要がある場面が出てきます。

②更新による崩れも多い

WordPressはセキュリティ面や不具合の調整のため、定期的にシステムの更新(市販のテーマ等を使う場合はテーマの更新)が案内されます。そういった更新は、時にレイアウトしたデザインを崩してしまう原因にもなり得るので更新に慎重になる必要がある点はデメリットとも言えます。

③デザインの融通が利きづらい

これは販売・提供されているWordPressテーマを使用する際のデメリットとして大きいかと思います。そもそもデザインが決まっているので、そこにコンテンツを置いていくだけではまあ良くも悪くもシンプルな仕上がりになりますよね。そこでプログラミング言語を使用してカスタマイズしていくわけですが、そこに来てもデメリットは付きまといます。「カスタマイズすればするほど更新時に崩れる可能性UP」「デザインを変えると言っても基が決まっている分そんなには変えられない」「テーマのオプション以外のコンテンツを増やせば増やすほど、更新が大変に」などなど…。そこまでデザインを変えるなら次は「そもそもテーマって使う必要あるの?」という結論に行き着いてしまいます。

といったところでしょうか。ホームページの制作方法は大抵「デザイナーがデザインして、組み込むオリジナルデザイン」か「テーマを使用して組み込むテンプレート使用デザイン」だと思います。コードを組む技術者にある程度知識があればオリジナルデザインをWordPressに反映することもできるため、何かと便利な点が多いWordPressの利用を検討してみてはいかがでしょうか。